「14歳の時に聴いた音楽が人生に残る音楽だ」という話がある。私にとってのそれはゴールデンボンバーである。
生まれて初めて誰かの影響ではなく自分で見つけて好きになったアーティストで、間違いなく私の人生のターニングポイントは彼らとの出会いだ。将来私の半生が朝ドラになった際はここに一週間割いていただきたい。それほどゴールデンボンバーと歌広場淳氏は自分の中で大きな存在で、もう一生大好きなんだろうなとも思っていた。
のだが、2021年の暮れにちょっとそれを揺るがすようなことが起こってしまった。もう忘れている人もいるんだろうけど何があったとかは本当に説明したくないのでしない。とにかくそれがあってからしばらくバンドから距離を置くようになった。もしこれが私が14歳の頃に起きていたとしたら恐らく立ち直れなかったのだろうが、幸いにも私は大人になっており、ゴールデンボンバー以外に好きなものがとても増えたのでそこまで打ちひしがれることはなかった。それでも、そのショックは相当なものであったのだが。
この件を受けて「上がって」いる知り合いもいた。しかし私の中でバンドの存在はあまりにも大きくなりすぎており、とても「あぁそうですか、じゃあもういいです、さようなら」とスパッと切れるようなものではとっくになくなっていた。そのままずっとズルズルと引きずって過ごしていくしかなかった。皮肉なことに、この時の心境に一番寄り添ってくれたのはゴールデンボンバーの楽曲であった。
その後もふとした瞬間に彼のことを思い出しては落ち込む、ということを繰り返し、少しずつ楽になったと思いきや2022年末のMステで過去VTRから彼だけが綺麗にトリミングされているのを見て非常に大きい精神的ダメージを食らうなどしていたのだが、その2日後に事態が変わった。
何となく再生したクリスマスライブの無料配信に彼がいた。トレードマークだった派手髪は黒く染まっていたが、以前と変わらない姿だった。何だか、どういう風に受け止めればよいのか全く分からなかった。彼のしたことは全然許せない(あくまで当事者間の問題であり、部外者が許す許さないという話ではないことは重々承知しています!!)ので素直にお帰りなさいと喜べないのだが、しかしメンバーが全員揃った安心感というのは確かにあった。
そして、クリスマスライブの最後に、アルバム発売とツアー決定の告知がされた。すみません、長くなりましたがここまでが前置きです。
そんな複雑な心境の中発売されたアルバム「COMPACT DISC」、いや~~めちゃくちゃ良かったよ!!本当に私はゴールデンボンバーと、鬼龍院さんの作る曲が好きなんだなというのを改めて感じることができて本当によかった。歌詞を見ると結構ウッ…となってしまう曲もあるのだが、再出発、第二章というのに相応しい作品かと!
M1.Hey Yo!
M3もそうなんだけど、レコーディングに参加しないことがもはやお馴染みだった他メンバーが歌唱しているのは純粋に嬉しいね。(仮)版は既にリリースされてたけどラップパートは本当に4人いなければ成立しないので、この曲が正式に完成してよかったな~、という気持ち。
M2.人間だ
身につまされる詞。普段音楽聴くときあんまり歌詞に着目しないけど鬼龍院さんの場合はちょっと別。実際バンドとして積み上げてきたものが一旦ゼロになったわけで、それ以前のイメージって過大評価されてたかもしれないよね。ちゃんと人を見ないと……などと色々考えてしまう。
M3.Yeah!めっちゃストレス
で、そんな曲があってのもう1つのリード曲がこれなの、気が狂っている。やっぱこれでこそっすわ。終始困惑を隠せないが次第に癖になる。とんでもない名曲ですよ、これは。
ずっと何?
M5.踊るなよ ーDo Not Danceー
あの、この曲本当に何ですか??ともかく景気が良い。あとMVに昔からずーっと乃下未帆さんが出演してくれていて、ありがたいですね……。
M6.ダニ
あ~~!!私の好きなゴールデンボンバーだ~~~!!!!
先行リリースされていた曲は奇をてらったものが多かったので、ここであまりの安心感に崩れ落ちる。これを求めていたんだよ。よかった、本当によかった。ありがとう。
M11.胸を痛めても
いやこれ、私とゴールデンボンバーの歌じゃん。は?こんな気持ちにさせている張本人にこんな歌詞書かれるのめちゃくちゃムカつくんですけど!!何なの!?こんなに悔しいことないよ。
M12.鈍色の臨終
これすごいカッコいい。サビのちょっと不安定な部分が焦燥感煽ってて良いね。バンドもオーケストラもピアノもいて荘厳で物々しくて、世界の終わりって感じでカッケ~~!
M13.断末魔
これね……。私がまだ失意の底にいる時に突然この曲がリリースされて、あんまりにも暗い歌で暗いMVで「そ、そんな……どうしろっていうんだ……」となった思い出。いまだに聴くと心がザワザワする。
M14.夢を見れたら
泣いちゃったよ。それでも曲を作り続けるという選択をしてくれてありがとう。終わらせないでくれてありがとう。
M15.キスミー
リリースされた当初は普通に聴いてたけどその後意味が生まれすぎてしまった曲。これを書いた時点では何がどこまでどうなっていたかは分からないけど、こんなことになるなんて……。これも一時期聴けなかったんだけど、やっぱめちゃくちゃ良い曲なんだよな~。これをアルバムの最後にもってきたという覚悟をきちんと受け取りたい。
4人で揃って活動を再開してくれてありがとう。再出発が良いものになると信じさせてください。これからも応援します。